ティム・バートンのコープスブライド
製作 : イギリス・2005年・77分
監督 : ティム・バートン、マイク・ジョンソン
脚本 : パメラ・ペトラー、キャロライン・トンプソン、ジョン・オーガスト
声の出演 : ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、エミリー・ワトソン、トレイシー・ウルマン
TIM BURTON'S CORPSE BRIDE★★★★☆☆
19世紀ヨーロッパのとある小さな村。ビクトリアとの結婚を間近に控えた青年ビクターは、ある日、森の中の地面から突き出ている人の指のような棒きれを発見。彼は本番の練習のつもりでその棒に結婚指輪をはめ、誓いの言葉を述べてみる事に。が、それは本物の人骨で、突然地面から花嫁衣装を着た白骨化した女性が現れたのです。
通常抱くイメージとは逆に、この世がほぼモノクロに近い色、あの世がカラフルな色使いというのが、何ともティム・バートンらしいもの。そして、ドジで優柔不断なビクターを巡る、この世とあの世の三角関係がなかなかの見もの。ビクトリアの意外な行動力、コープスブライドの強引なまでの一途な想い、そのどちらもがどこか可愛くて憎めません。コープスブライドが死を迎えた理由は読めてしまうものですが、それでも全く問題なし。その復讐をしっかり果たしてしまうのも、ちょっとしたご愛敬です。
冒頭で蝶を空へと放したように、持ち前の優しさでコープスブライドを蝶へと昇華させたビクター。彼女が蝶へと姿を変えたのは、確かにビクターの優しさもあったと思いますが、何よりもビクターを愛した彼女自身の想い、そのビクターの幸せを願う彼女自身の優しさがあったからこそ。それにしても、ビクターがエイドリアン・ブロディに見えてしょうがありませんでした。

チャーリーとチョコレート工場
製作 : アメリカ+イギリス・2005年・115分
監督 : ティム・バートン
脚本 : ジョン・オーガスト
出演 : ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア、デヴィッド・ケリー、ヘレナ・ボナム=カーター
CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY★★★★☆☆
失業中の父、母、2組の寝たきり祖父母に囲まれ、貧しいながらも幸せに暮らしている少年チャーリー。彼の家のそばには、世界一のチョコレートを作り続ける謎に包まれた不思議なチョコレート工場が。そんなある日、その工場の経営者ウィリー・ウォンカ氏が、”ゴールデン・チケット”を引き当てた者だけ、特別に工場の見学を許可すると発表します。
カラフルな映像に始終魅せられっぱなし。チョコレート工場の中は見事にチョコまみれで、まさにこれこそが夢の世界。が、その夢の世界に招待された子供達は、チャーリー以外は小生意気な子供ばかり。彼らが辿る不幸も全然あり、と思えてきます。そして、度々登場するウンパ・ルンパ!顔が全員同じのオヤジ顔というのが逆に面白く、この映画のキャラクターで一番のお気に入り。子供達が脱落していく過程も見ものですが、ウンパ・ルンパのアトラクションへの興味の方が大きいです。
ただ、気になったのは、チャーリーが拾ったお金でチョコを買った事。あの状況でチョコを買うのは仕方がないと思うのですが、彼の家族の生真面目さを見ると、まずチャーリーの行動は咎められるかと。ついでに、ティム・バートン監督の過去作「シザーハンズ」を思わせる描写や、「2001年宇宙の旅」へのオマージュ的シーンがあったりもします。

ダンサー
製作 : フランス・1999年・94分
監督 : フレッド・ギャルソン
脚本 : リュック・ベッソン、ジェシカ・キャプラン
出演 : ミア・フライア、ガーランド・ウィット、ロドニー・イーストマン、ジョシュ・ルーカス
THE DANCER★★★☆☆☆
ニューヨーク、土曜の夜のクラブ。ステージでは様々な音楽を天才的なリズム感で見事に踊りこなりしていたひとりの女性が。ダンサーの名はインディア。彼女は言葉を話す事が出来ず、手話以外の会話は兄の通訳が頼り。その事を理由に合格していたオーディションに落ち、落胆する彼女のもとにひとりの青年科学者がある相談を持ち掛けてきます。
まず目を奪われるのが、インディアのダンスシーン。彼女のダンスは力強く、見る者を圧倒させる力を持っています。この映画自体が、インディア演じるミア・フライアのために作られた、と言ってもおかしくない内容。が、ダンスの才能はあるものの、言葉を話す事が出来ないインディア。ただ、普段は話せない事を気にする素振りはあまり見られません。それでも、店のオーナーの発言、オーディションの合格者から外された理由、容赦ない厳しい現実が彼女を深く悩ませます。
ラストでは、声に近い音を生み出す事が出来るようになったインディア。そして、自分への自信をなくした時、慰めてくれたダンス教室に通う子供達。彼女の障害に偏見を持っている大人達よりも、この子供達の方が精神的にはるかに大人です。生き生きと踊る彼女の姿は、本当に微笑ましいもの。常に前に進もうとするインディアの姿は元気をくれます。

タクシードライバー
製作 : アメリカ・1976年・114分
監督 : マーティン・スコセッシ
脚本 : ポール・シュレイダー
出演 : ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ピーター・ボイル、ジョディ・フォスター
TAXI DRIVER★★★★☆☆
夜のニューヨークをタクシーで流しながら、世界の不浄さに苛立ちを感じていた、ベトナム帰りの青年トラヴィス。彼は大統領候補の選挙事務所に勤めるベッツィと親しくなるが、彼女をポルノ映画館に誘った事で絶交されてしまう事に。やがて、闇ルートから銃を手に入れたトラヴィスは自己鍛錬を始め、胸中にあるひとつの計画が沸き上がります。
ベトナム戦争帰還後、不眠症に悩まされていたトラヴィス。が、それを癒してくれる人はなし。ベッツィとの出会いもありましたが、初デートで呆気なく破局。彼の中の絶望感が次第に怒りへと変化していきますが、その怒りをさらに衝動に変化させるきっかけになったのは、若い売春婦アイリスとの出会い。このアイリスを演じるのが、当時13歳のジョディ・フォスター。13歳とは思えないくらい魅力的で、今の彼女からは想像も出来ない売春婦役を見事に好演、さすがの一言です。
ラストでは、ベッツィと再会したトラヴィス。が、今の彼はベッツィを口説こうとは全く考えていません。アイリスを救うという自己満足な使命を果たした彼に、彼女はもう不必要な存在。全体的に暗い映画ですが、ロバート・デ・ニーロのモヒカン頭は一見の価値あり。ちなみに、売春宿のポン引き役として、ハーヴェイ・カイテルも出演しています。

ドラえもん のび太の恐竜
製作 : 日本・1980年・94分
監督 : 福富博
脚本 : 藤子不二雄、清岡清治
声の出演 : 大山のぶ代、小原乃梨子、肝付兼太、たてかべ和也、野村道子、横沢啓子
ドラえもん のび太の恐竜★★★★☆☆
「ドラえもん」劇場用作品第1弾。恐竜の化石らしきものを見つけたのび太。ドラえもんのひみつ道具”タイムふろしき”で包んで1億年前の姿に戻してみると、それは恐竜の卵だという事が判明。それからのび太は毎日、卵を暖め続け、生まれた恐竜を”ピー助”と名付ける事に。が、このピー助を狙って、未来から恐竜ハンターがやって来ます。
ある日、恐竜の卵を発見したのび太。この卵から生まれたピー助が本当に可愛い!が、やっぱり現代で恐竜を育てるのは、困難どころか到底無理な話。見せ物にされてしまうピー助の事を思って、過去の恐竜時代に送り返そうとするのび太。ピー助は言葉を発しないけれど、鳴き声がのび太の気持ちを汲み取っているように感じられて、思わず切なくなります。こののび太とピー助の別れのシーンはかなり感動的。話がいくら現実離れしていても、大切な存在との別れは辛いものです。
ピー助を狙うハンターが登場し、アドベンチャー要素も満載。この適度なアドベンチャー要素と感動の割合がちょうど良く、子供向けアニメとはいえ作りはしっかりしています。ちなみに、「それじゃなくてあの道具を使えば良いのに」と、少しのツッコミどころもあったりしますが、単純に純粋に感動出来る映画です。やっぱり「ドラえもん」好きー。

チャーリーズ・エンジェル
製作 : アメリカ・2000年・98分
監督 : マックG
脚本 : ジョン・オーガスト、ライアン・ロウ
出演 : キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー、ビル・マーレイ、ティム・カリー
CHARLIE'S ANGELS★★★★☆☆
姿を見せないボス、チャーリーの探偵事務所で働くのは、ナタリー、ディラン、アレックスの美女3人。今回彼女達に下された指令は、誘拐されたノックス・テクノロジー社の創立者ノックス・ノックスを救出するというもの。エンジェル達は、巨大企業オーナーでノックスのライバルであるコーウィンが犯人と見て、危険は潜入捜査を決行します。
3人のエンジェル達の中でとりわけ目立つのが、やっぱりキャメロン・ディアス。彼女の笑顔は同性から見ても華やかで、楽しい気分にさせてくれます。が、他の2人にもしっかりと見せ場となる場面が用意されていて、キャラクターとしての扱いはほぼ同等。ちなみに、私的にはルーシー・リューがお気に入り。そして、彼女達の様々な衣装を見るのも楽しみのひとつ。オープニングやエンド・クレジットでは、本編には出てこない衣装を着る3人の姿が見れるなど、遊び心も満載です。
また、大袈裟なアクションシーン、彼女達がバタバタと男達を倒していく姿が痛快。何よりも、各キャラクターの設定が楽しいです。非常時にボーイフレンドの電話に出てしまうナタリー、素っ裸で転落するディラン、意外に健気さがあるアレックス。3人それぞれが楽しく、愛らしく描かれています。全く異なるタイプの彼女達、好みの人を探すのも良いかも?

タイタニック
製作 : アメリカ・1997年・189分
監督 : ジェームズ・キャメロン
脚本 : ジェームズ・キャメロン
出演 : レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、ビリー・ゼーン、キャシー・ベイツ
TITANIC★★★★★★
1912年、イギリスのサウザンプトン港から豪華客船タイタニックが処女航海に出発。新天地アメリカに夢を抱く画家志望の青年ジャックは、上流階級の娘ローズと運命的な出会いを果たし、2人は互いに惹かれ合い、絆を深めていく事に。が、航海半ばの4月14日、タイタニック号は氷山と接触。船は刻一刻とその巨体を冷たい海の中へと沈め始めます。
まず圧倒されたのが、タイタニック号そのもの。忠実に作られたタイタニック号は、本当に素晴らしかったです。その船内の装飾、衣装、その他全てもひたすら豪華。そして、ジャックとローズの悲恋も良いですが、それよりも船が沈没するという極限下での人々の様子が印象的。いつまでも演奏を続けた音楽隊、救命ボートの中で救出に向かう事を提案したモリー・ブラウン、自らの過失を認め船と運命を共にしたアンドリュースとスミスなど、心に残る人達が多く存在しました。
ラストでは、碧洋のハートを海に返し、穏やかな表情で永遠の眠りにつく年老いたローズ。彼女はジャックと約束した通りの人生を送り、いつか約束した時計台の下でジャックと再会します。その2人が再会するシーンで、周りで祝福しているのがタイタニック号と共に命を落とした人達で思わず涙。恋愛映画としても、ドラマとしても楽しめる映画です。

トゥルー・ロマンス
製作 : アメリカ・1993年・121分
監督 : トニー・スコット
脚本 : クエンティン・タランティーノ
出演 : クリスチャン・スレイター、パトリシア・アークエット、デニス・ホッパー、ヴァル・キルマー
TRUE ROMANCE★★★★★☆
ビデオショップで働く青年クラレンス。ある日の誕生日、彼は店長が差し向けたコールガール、アラバマと出会う事に。互いに一目で恋に落ちた2人はすぐに結婚。彼女の元ヒモの所へ出向いたクラレンスだが、そこでヒモの男に殺されかけ、逆に男を殺害。しかも彼女の衣装ケースと思って奪ってきたカバンには、大量のコカインが入っていたのです。
全編に暴力が満ち溢れているのですが、序盤でアラバマが言った通り、ロマンティックの一言に尽きる映画。2人の運命的な出会い、クラレンスがアラバマのために犯した殺人、偶然手に入れた大量のコカイン、その全てがロマンティックの一言で片付けられています。そして、脇役勢が恐ろしく豪華。元ヒモにゲイリー・オールドマン、クラレンスの父を拷問する男にクリストファー・ウォーケン、薬中青年にブラッド・ピットなど、その全員が自分の仕事をきっちりこなしています。
特に印象に残るのが、デニス・ホッパーとクリストファー・ウォーケンが対峙するシーン、アラバマが巨乳を揺らしながら銃をぶち放すシーン。また、クラレンスがビデオ店で働いていた事、映画オタクである事など、タランティーノらしさが随所で出ています。何よりも、2人が出会った映画館で上映していたのが、ソニー千葉の3本立てというのが笑えます。

ティアーズ・オブ・ザ・サン
製作 : アメリカ・2003年・118分
監督 : アントワーン・フークア
脚本 : アレックス・ラスカー、パトリック・シリロ
出演 : ブルース・ウィリス、モニカ・ベルッチ、コール・ハウザー、イーモン・ウォーカー
TEARS OF THE SUN★★★☆☆☆
ナイジェリアでクーデターが起き、反乱軍によって大統領一家が殺され同国は深刻な内戦状態に突入。アメリカ政府は、まだナイジェリア国内に残るアメリカ人全員の速やかなる救出を決定。ジャングルの奥深くで難民の治療に当たっていた女医リーナの救助には、任務遂行率100%を誇る米海軍特殊部隊シールのウォーターズ大尉が向かいます。
良くも悪くもアメリカらしい映画。正義と良心による命令違反、自己犠牲、さらに主演がブルース・ウィリスとくればアメリカらしさに文句なしです。米兵はひたすら善として描かれ、敵兵は虐殺、陵辱という許せない行為の数々。敵兵に対する憤りを始終、煽りに煽ってくれます。しかも、一度はリーナのみを救出し、任務を遂行しかけながら難民救助のために引き返すというのが、お約束通りのらしい展開です。が、話のテンポとしては、特別に悪いものでもなかったと思います。
主演ブルース・ウィリスは、「アルマゲドン」並の熱い男を無難に好演。ヒロインとなるモニカ・ベルッチは、他の映画で見られるようなフェロモン全開ではなく(それでも前半は胸の谷間が気になりますが)、激しい感情を持つ気丈な女医を演じています。王道を行く映画なので割り切って観れば楽しめますが、合わない人にはとことん合わない映画かと。

地下鉄のザジ
製作 : フランス・1960年・93分
監督 : ルイ・マル
脚本 : ルイ・マル、ジャン=ポール・ラプノー
出演 : カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、カルラ・マルリエ、ユベール・デシャン
ZAZIE DANS LE METRO★★★★☆☆
母と共に生まれて初めてパリにやってきた10歳の少女ザジ。母はザジを弟のガブリエルに預けると恋人と出かけてしまったが、パリに憧れるザジの目的は何よりも地下鉄に乗る事。が、地下鉄はストライキで運行停止中。そして翌朝、ひとりで家を抜け出したザジは、地下鉄の乗り場近くでひとりのオジさんと出会い、一緒にノミの市に出かけます。
ストーリーというものはない等しいですが、ついつい見入ってしまう映画。そして、何でも口に出してしまう少女ザジが本当に可愛くって面白い!凄く生意気なんだけど、どうしても憎めないのです。特に、オジさんとの追いかけっこが最高。映像を早送りで流したりするなど、コミカルでテンポの良い作りになっていました。この追いかけっこをするオジさんだけでなく、出てくる人物は揃いも揃って一癖も二癖もある人達ばかり。ザジがパリで経験する36時間はとにかく痛快です。
また、バックで流れる音楽もとても軽快。全体的にドタバタ度が高めですが、その分、何も考えずに楽しめます。そして、この映画にストーリーは求めてはいけません、多分。それにしても、ザジのあの性格では成長した姿がちょっと思いやられるかも(笑)が、色々な事を言ったりやったりしても、ちゃんと無事に成長してくれるとは思いますが。