| キス・オブ・ザ・ドラゴン |
| 製作 : フランス+アメリカ・2001年・98分 監督 : クリス・ナオン 脚本 : リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン 出演 : ジェット・リー、ブリジット・フォンダ、チェッキー・カリョ、ローレンス・アシュレイ ★★★☆☆☆麻薬捜査のため中国からフランス、パリにやってきた捜査官リュウ。地元パリ警察のリチャード警部と共に麻薬密売を行う中国人ギャング、ソングの逮捕に向かったものの、闇で麻薬密売の独占を狙うリチャードによって、ソング殺害の犯人に仕立て上げられることに。逃亡するリュウは娼婦ジェシカと出会い、彼女の娘が人質になっている事を知ります。 リュック・ベッソン監督の「ニキータ」と「レオン」を足して割ったような映画。が、やっぱりジェット・リーのアクションは観ていてワクワクします。思わずツッコミを入れたくもなるけれど、大人数をバタバタと倒していく様は気分爽快。そして、左腕に隠されている大量の待ち針。これを使うシーンでは、思わずコミック「北斗の拳」を思い出して大爆笑。「お前はもう死んでいる」なのです。対するヒロインのブリジット・フォンダは本当に可愛い!2人が並んだ時はジェット・リーの方が背が低くて、ほのぼのとした気持ちになります。 勝手にジェット・リーには恋愛は似合わないと思っているので2人の展開に心配しましたが、ラブシーンを見せられることもなく至って淡泊。後半のツインズとの戦いでもジェット・リーは切れの良いアクションを見せ、しっかり笑い要素も盛り込まれています。ストーリーに目新しいものはないですが、ジェット・リーのアクションは堪能出来ます。 |
| 黒い家 |
| 製作 : 日本・1999年・118分 監督 : 森田芳光 脚本 : 大森寿美男 出演 : 内野聖陽、大竹しのぶ、西村雅彦、小林薫、桂憲一、田中美里、町田康 ★★☆☆☆☆貴志祐介の同名小説を映画化。保険会社に勤める若槻は、保険金の説明に訪れた女性の家でその女性の息子の首吊り死体に遭遇。警察は自殺と判断し、それに基づいて保険金が支払われる事に。が、両親の態度に不審なものを感じた若槻はひとり調査を開始。そして、夫婦の保険金をめぐる異常な行動が次第に明らかになっていきます。 保険金殺人、精神異常、その設定は妙にリアルに感じるもの。大竹しのぶが演じた母親のように、善悪の区別がつかない人がいてもおかしくないと思えるのです。そして、彼女は加害者でもあって被害者。間違ってはいるけれど、保険金目当てで両親から殺害されそうになった彼女の過去を考えると、「自分がやって何が悪い」というのは彼女の中では正論。この大竹しのぶの演技が本当に凄いの一言、全くもって彼女のひとり舞台。特に、ラストの彼女のセリフは思わず吹き出してしまうくらい面白いです。 監禁され、人とは思えない扱いを受け、ラストでは人が変わってしまったように見える若槻の恋人。恋人である若槻と川辺で抱き合っていても、何の感情も表さない表情が印象的です。それにしても、若槻を演じた内野聖陽についついイライラ。あのぼそぼそした話し方、オーバーなリアクションにただ苦笑するしかありません。 |
| 花様年華 |
| 製作 : 香港・2000年・98分 監督 : ウォン・カーウァイ 脚本 : ウォン・カーウァイ 出演 : トニー・レオン、マギー・チャン、スー・ピンラン、レベッカ・パン、ライ・チン ★★★★☆☆1962年、香港。新聞社の編集者であるチャウ夫妻がアパートに引っ越してきた日、隣の部屋にもチャンが夫と引っ越してくることに。チャンは商社で秘書として働き、ふたり共が忙しく、夫や妻とはすれ違いを繰り返す日々。そんなある日、妻がチャンの夫と不倫していることに気付いたチャウ。それに怒った彼は、復讐心からチャンに接近しようとします。 少し茶色がかったぼかした色合いの中、赤の色だけが一際目立ってとても綺麗。そして、特筆すべきはマギー・チャンの美しさ。あの細いウエストと多数のチャイナドレスを完璧に着こなした姿は、思わず溜め息が出るほど綺麗です。勿論、対するトニー・レオンもやっぱり素敵。彼と紫煙は本当によく似合います。また、スローモーションを活かしたシーンが多数登場し、それが妙に艶めかしいもの。女性の歩く後ろ姿、肩に回した手、手と手など、シーンのひとつひとつが芸術的で印象に残ります。 ただ、映像は本当に綺麗だけど、話はちょっと分かりにくいところも。間が多すぎて、展開を考えさせられる場面が多かったような気がします。結局、チャウとチャンの関係はどの程度のものだったのか、2人の間に恋愛感情はあったのか、と気になる部分が多々。それでも、映像と音楽のセンスはさすがウォン・カーウァイ。完全に魅せられました。 |
| グレアム・ヤング毒殺日記 |
| 製作 : イギリス・1994年・93分 監督 : ベンジャミン・ロス 脚本 : ベンジャミン・ロス、ジェフ・ラウル 出演 : ヒュー・オコナー、シャーロット・コールマン、アントニー・シャー、ロイド・パック ★★★☆☆☆ある日、友人のニックがスーをデートに誘ったことを知り、激しく嫉妬した13歳のグレアム。薬品の知識があった彼は、硫化アンチモンをマスタードに混ぜ、ニックに食べさせることに。その結果、ニックは体調を崩し、彼の計画は成功。やがて、継母に宝物の化学実験セットを燃やされた彼は、彼女が食べるチョコレートにアンチモンを入れます。 継母とはいえ、自分の母親を殺害した13歳のグレアム。しかも、ただ殺害するだけではなく、証拠が表に出ないように工夫しているかと思えば、逆に逮捕時に自殺するための毒薬を用意している始末。逮捕されたくない気持ち、逮捕されたい気持ち、彼の複雑な心情は13歳の無知さと無謀さの現れだったような気がします。そんな彼が改心した後、姉夫婦に受けた仕打ちは本当に哀れ。が、その行動には仕方ないと思える部分があり、もし私が姉の立場なら同じ事をしているかも、と思えます。 初めは化学薬品、徐々に毒薬の製造へ、そして製造した毒薬の効果を試すことに興味が移っていったグレアム。彼は人を殺害するのが楽しかったのではなく、自分が作り上げた毒薬が人にどのような影響を与えるかを楽しんでいた感じ。人の死よりも、その過程への興味。化学薬品をマイナスの方向に使わなければ、彼は優秀な学者になっていたかも? |
| クイズ・ショウ |
| 製作 : アメリカ・1994年・132分 監督 : ロバート・レッドフォード 脚本 : ポール・アタナシオ 出演 : ジョン・タートゥーロ、ロブ・モロー、レイフ・ファインズ、ポール・スコフィールド ★★★☆☆☆1956年、アメリカ中が熱狂し、社会現象にまでなっていたテレビのクイズ番組「21(トゥエンティ・ワン)」。最大のスターはコロンビア大学の講師ヴァン・ドーレン。彼は「21」で無敵を誇ったステンペルを打ち破った名門出の若くハンサムなクイズ王として、一躍TV界の人気者に。が、彼の人気の裏には、ある仕組まれた重大な疑惑が隠されていたのです。 一般人から見れば「21」は誰もに平等に夢と希望を与えてくれるもの。が、番組スタッフたちにとっては「21」もただの娯楽番組、何よりも視聴率が一番大事。勝ち続けるチャンピオンに飽きられたとスタッフが判断すれば、もっと一般人に受け入れられる新しいチャンピオンを登場させるだけ。これは当然の行為だと思うし、スタッフの言い分も理解出来ます。が、一般人とスタッフの認識にあまりにも大きな違いがあったこと、そして当時の時代背景を考えると「21」は裏切り以外の何物でもなかったんだろうと思えます。 ある意味、「21」の被害者となったヴァン・ドーレンとステンペル。確かに彼らも一般人の夢と希望を裏切ってはいたけれど、実際に裏切っていたのは彼らよりも番組そのもの。が、一般人が常に見てきたのはチャンピオンの座についた彼らの姿。彼らが非難されたのは本当に哀れ。また、アメリカの古き良き時代のひとつの終焉を見た気がします。 |
| キャスト・アウェイ |
| 製作 : アメリカ・2000年・144分 監督 : ロバート・ゼメキス 脚本 : ウィリアム・ブロイルズ・Jr 出演 : トム・ハンクス、ヘレン・ハント、クリストファー・ノース、ニック・サーシー ★★★☆☆☆速さを誇る宅急便“フェデックス”のシステム・エンジニア、チャック。彼は、配達のためなら1秒も無駄にしない、ということをポリシーに仕事に励む日々。が、そんなある日、チャックを乗せた飛行機が墜落。九死に一生を得たチャックは無人島に漂流し、文明から切り離された生活をひとりで送ることに。それから4年、チャックは奇跡的に文明社会に戻ります。 今までの文明社会とは全く逆の原始的な生活を送るチャック。無人島でたったひとりで生活する彼の唯一の話し相手は、人ではないバレーボールのウィルソン。4年もの間、彼が彼であることを保てたのは、このウィルソンのおかげとも言えます。が、このウィルソンとの別れも悲しいですが、それ以上に文明社会に戻ってからのチャックが印象的。スイッチひとつで電気がつくこと、完璧に調理された料理に戸惑うチャックからは寂しさすら感じます。このチャックを演じたトム・ハンクスは本当に凄いの一言です。 4年の間に周りの環境、自身にも大きな変化があったチャック。心の支えになっていた恋人・ケリーを失ってしまうけれど、閉鎖された無人島生活とは違い、今の彼は右にも左にも彼の好きな方向に進むことが出来ます。そして、助手席に乗っている新しいウィルソンに思わずニヤリ。チャックとウィルソンはこれからもずっとパートナーなのです。 |
| 奇跡の人 |
| 製作 : アメリカ・1962年・106分 監督 : アーサー・ペン 脚本 : ウィリアム・ギブソン 出演 : アン・バンクロフト、パティ・デューク、ヴィクター・ジョリイ、インガー・スヴェンソン ★★★★☆☆生後19ヶ月で、熱病により目が見えず、耳も聞こえず、言葉も喋れなくなってしまったヘレン。両親の献身的な行動にも関わらず、ヘレンを受け入れてくれる学校はなし。そんな時、一家の前に現れたのが、自身も盲目を克服した女教師アニー・サリヴァン。彼女は7歳の少女ヘレンに、彼女を取り巻く世界を認識させようと必死の努力を重ねます。 感情の起伏の激しい我儘な少女でしかないヘレン。それもそのはずで、彼女の行動を誰も叱ろうとしないし、彼女を躾けようとする人もなし。ある意味、ヘレンは自由に伸び伸びと妨げを何ひとつ受けることなく育ったとも言えます。が、大半の人は彼女を叱ったりすることは出来ないかと。自分が味わったことのない暗闇、無音、無言の三重苦を背負っているという事実から、同情はしても叱ろうという気にはなれないもの。ただ悪く言えば、両親から甘やかされ、成長することを見限られたとも言えると思います。 ラストで、突発的に言葉の持つ意味を理解したヘレン。きっかけは有名な井戸ポンプではあるけれど、彼女は本当に突発的に言葉の意味を理解したのだと思います。彼女が言葉の意味を理解した理由なんていらないし、ただあの瞬間が言葉を理解した時だっただけ。そして、サリヴァン先生の厳しくも真っ直な教えが本当に見もの。一見の価値はあります。 |
| ギャラクシー・クエスト |
| 製作 : アメリカ・1999年・102分 監督 : ディーン・パリソット 脚本 : ロバート・ゴードン、デヴィッド・ハワード 出演 : ティム・アレン、シガニー・ウィーヴァー、アラン・リックマン、トニー・シャルーブ ★★★★★★放送打ち切りから約20年を経た今も熱狂的なファンを持つSF番組「ギャラクシー・クエスト」。今日もある都市でファン集会が開かれていたが、招待された出演者の前に奇妙な4人組が現れ、「自分達の星を侵略者から守って欲しい」と訴えてくることに。最初は冗談と思った出演者たちだったが、彼らは本当の異星人で、宇宙船も用意していたのです。 「スタートレック」好きは必見!の1本。バルカン人、ロミュラン人と容姿そっくりのサーミアン人が、とても綺麗な心を持ち、常に笑顔を浮かべているだけで面白いです。「ギャラクシー・クエスト」というTV番組を歴史ドキュメンタリーと勘違いしていることもツボ。勿論、その他のキャラクターも本当に魅力的。やる気のないタガート艦長、お色気担当のマディソン、トカゲヘッドなドクター・ラザラス、サーミアン人の女性と恋に落ちるチェン、彼らの行動はコミカルでいて時にホロリとさせてくれるもの。名セリフも多数登場します。 タガート艦長がサーミアン人に「自分達は役者で作品は作り物」と打ち明けるシーンは、思わず寂しい気持ちになったりも。が、ラストはお約束通りに万々歳。ストーリーは至って単純ではあるけれど、充分に楽しませてもらったのでそれで良し。「スタートレック」が好きで良かった!「ギャラクシー・クエスト」に出会えて良かった!わーい! |
| 風の谷のナウシカ |
| 製作 : 日本・1984年・116分 監督 : 宮崎駿 脚本 : 宮崎駿 声の出演 : 島本須美、辻村真人、京田尚子、納谷悟朗、永井一郎、宮内幸平 ★★★★★☆宮崎駿を同名コミックを映画化。海から吹く風によって腐海の毒から守られている“風の谷”。ある日、虫に襲われた輸送飛行船が風の谷に墜落。船内には、“火の七日間”と呼ばれる最終戦争で地球を壊滅させた“巨神兵”の核が積まれている事が判明。やがて、巨神兵をめぐって闘争が勃発し、風の谷の王妃ナウシカも戦乱に巻き込まれていきます。 自然と動物を愛する優しく穏やかな心を持つ一方、時に激しい感情も露にするナウシカ。この優しさと激しさがナウシカの最大の魅力。優しさだけでは何も生むことは出来ない、激しい感情があるからこそ何に対しても恐れることなく突き進むことが出来るのです。オームの集団が風の谷に突進してきた時も周りは恐れを抱くけれど、ナウシカが抱いたのはオームにこういった行動を取らせた人々に対しての怒りと悲しみ。そして、オームに対しては同じ人類が冒した罪を心の底から申し訳なく思っているのです。 体に幾つもの武器を食い込ませ、吊り下げられる子供のオームが印象的。あまりの痛々しさと道具のように扱われていることに、思わず怒りを感じました。まるで今後の未来を象徴しているかのような、人類の愚かな行為による環境破壊。それを目の当たりにする映画で、考えさせられることの多い映画。ただのアニメ映画ではありません。 |
| 恋する惑星 |
| 製作 : 香港・1994年・101分 監督 : ウォン・カーウァイ 脚本 : ウォン・カーウァイ 出演 : トニー・レオン、フェイ・ウォン、ブリジット・リン、金城武、ヴァレリー・チョウ ★★★★★☆エイプリル・フールに別れた恋人メイが忘れられずにいる警官223号。裏切り者のインド人を追って街をさまよう金髪の女。スチュワーデスの恋人と別れ、悲しみに暮れていた警官633号。警官たちが立ち寄る小食店の新入り店員フェイ。ある日、フェイは店に訪れる警官633号に恋をし、彼の家を知った彼女は、彼の留守中に家の中に忍び込みます。 前半は警官223号と金髪の女、後半は警官633号とフェイ、と2話構成の映画としても楽しめる作り。が、2つに全く接点がないわけではなく、微妙なすれ違いが多々あります。一番大きく分かるのが、警官223号からフェイに話を引き継ぐシーン。私的には、後半の話の方が好みです。何よりも、フェイを演じたフェイ・ウォンが本当に可愛い!彼女の行動はストーカー以外の何者でもないけれど、その彼女の行動に全く気付かない警官633号に爆笑。が、それは物に対しての執着がなく、変化に関して非常に鈍いから。 この鈍感な警官633号とは逆に、警官223号は物への執着が大きく描かれています。彼女が好きだったパイナップルの缶詰を毎日買うのも、執着のひとつの表れかと。また、登場人物それぞれが一ケ所に留まる事なく、映像と同じように常に流れているという、浮遊感を感じる映画。このセンスの良い流れる映像がとても綺麗でお気に入りです。 |